考察。無事帰国して思うこと。ピースボートとは一体何であったか。楽しく参加するには。思いつくままに。

更新日 2010/09/30

ボート生活は楽しい毎日でした。ほんとに?どれほど?

この考察はK(年金生活66歳男)のお話です。

あまり社交的でない、酒が入れば別ですが、交流やらふれあいに興味の無い自分が、どれくらい船内生活に耐えられるか、どうすればストレス無くのんびりと過ごせるのか、3ヶ月の船旅を自分なりに想像して、何を準備しようか、多少は考えて乗船しました。

時間があるのだから、語学に挑戦し、趣味を磨いてと、語学ラジオ講座のフランス語とスペイン語をパソコンに取り込み、軽いメールソフトを入れ、HP作成用を楽にする為あらかじめHPの基本構成を構築しておき、船内で手短にHP作成が出来るように工夫し、無線ラン搭載のノートパソコン持ち込みました。それに短波ラジオも。

趣味のクラシックギターとウクレレ。ウクレレはNのためにと思って乗船直前にネットで買い求めた物です。スケッチ用にとスケッチブック3冊にパステルと数色の水彩絵の具、デジタルカメラ、宴会用に分厚い歌謡曲集を用意しました。また船上での情報収集と短波が受かるラジオを用意しました。さあ、どれほど役に立ったのでしょうか。どれほど実行したのでしょうか。----> 続きはここをクリックして下さい。


早帰国から二ヶ月も経過、南アフリカでのサッカーワールドカップが間近になり、TVでは連日南アフリカでの歴史や社会問題を放送し、ピースボートのお陰で興味深くTVを見ることができました。

現在航行中のオセアニック、ソマリア沖で海賊に追尾され警備艦船に護衛されて無事スエズ運河を通過、ピースボートのくせに護衛を頼むなんて許せんなんて口を尖らせる人がいるようですが、船はあくまでも客船です。安全安心は重要です。今回もソマリヤ沖半径1000kmのインド洋から厳戒態勢に入り夜間デッキへの外出が禁止され昼夜船員が無線機と斧を携えて海上を監視、消火ホースを船腹に垂らし海賊対策をしていることを誇示していました。

豪華客船ではないので、カジノやナイトクラブやプロのエンターテーメントやシアターなどはありませんが、船会社は金儲けの仕掛けが喉から手が出るほど欲しそうです。バーや居酒屋や酒類の自動販売機や売店が用意されていますが安くは無い。説明会ではアルコールの船内持ち込みは禁止と言われ鵜呑みにしていた私は馬鹿でした。乗船時にたらふくアルコールを持ち込み、寄港のたびにアルコールを仕入れ、夜な夜な宴会。もちろん、居酒屋やバーでアルコールは楽しめます。

ただピースボートでは世界の人々と交流を計り、各国の社会問題について少しでも皆さんに知ってもらおうと積極的に働きかけている団体の為、一方から見れば偏っているかも知れませんが、たまには真剣に世界の問題を考えることは良い事です。

自分の考えが定まっている大人たちには、色々な意見や考えを聞き、海を見ながら考え、自分の考えを練り直すことが出来ます。しかし、あまり視野の広くない若者にとっては、刺激が強すぎるきらいがあります。この所のテーマは脱貧困、国連ミレニアムキャンペーンに参加、しかも寄港地が南半球の貧困地帯で貧困と暴力を考える機会が頭にこぶができるほどありました。

またピースボート(PB)でアルバイトをして船賃ポイントを稼いだ人たちは、多分、PBに馴染み易くなって、素直にPB企画に参加していたようです。色々なPB主催の企画に若者達は感心するほど参加していました。大人たちも積極的でした。

PBではGETプログラムと称して外国人による有料だが、英語とスペイン語の集中講座が開かれ多くの方が挑戦していたようです。講師は乗船を条件に講座は無給とか。また、講座や観光の通訳として数名のこれも乗船を条件に仕事をしていました。


乗船の費用は安いといってもまとまったお金が掛かります。1日1万5千円くらいでしょうか。大変な額です。安い部屋は3人か4人相部屋になります。運悪く相性の悪い人同士が同室になった時、不幸にもいざこざが起き、部屋換えで余分な費用がかかてしまった人、途中で離脱した人がいたようです。船会社の説明がいいかげんで話が違うとぼやく人がいました。(つづきは)

皆で手つくり、専門家の水先案内人も、どちらかというと手作り講座、小さな町に、あるいは、どこかの学園に、3ヶ月間閉じこもった、いや、転居したと思うと分かりやすいでしょう。いかにして町のコミュニティを計るか、やたら交流という言葉で片付けてしまいますが、この町は交流が大好きのようです。ふれあいや交流を求める人は、そのまま町に打ち解けるでしょう。クラブ活動や文化祭、体育祭、町内会の祭り、色々なイベントがごちゃまぜの賑やかな空間。笛や太鼓や踊りやダンスで大騒ぎ。さらに驚いたことに船内家族と称して乗船者が適当に集まって父母兄弟と仮想家族を構成して交流を計りイベントに参加する企画に大勢参加しているように見受けられた。寂しく仲間が欲しい人はPBは楽しいでしょう。

船内の催し物はPBが企画した船内企画、と乗船者が自分で企画した自主企画など、色々な企画があり、船内のスペースや、ホールを使って開催され、毎日の予定は船内新聞で案内され充実していました。ただ残念なことに、各イベントの舞台技術が幼稚なため、せっかくの講義や講演や映像や音楽が、音が聞きづらく見難く、もっと素晴らしいものになるはずなのに、安っぽい感じになっていました。IT操作技術も未熟、PAや照明は専門技術を身につけて欲しく、船内の施設は故障をしているかもしれませんが、かなり高級なものが設置され、整備して専門家が操作指導をすれば、かなり見栄えのあるステージが出来ると思います。裏方の技術はPBで身に付けるべきだと考えます。素人ではいけません。腹立たしい限りでした。

自由に弾けるアップライトピアノが一台用意されていたが数箇所音が出ずチューニングは狂いっぱなし、余りひどいので、思わずいじって、音が鳴らない鍵を修理、チューニングだけはどうしようもなく諦めてしまった。こんなひどい楽器で皆さん歌の練習をしていて、PBの感性の貧困さにただただ驚きました。今現在はそんなことは無いでしょうね。

初老の独り者にとって、いや主婦にとって食事つき移動ホテルは夢の世界に違いありません。いつの間にかドアを開けたらそこは見知らぬ外国だってという不思議な旅を経験できます。食事は和食中心、朝昼はバイキング、晩はセットで高級ではないが十分な食事だった。午後のお茶も用意され、規則正しく食事を取るだけでも、1日が忙しくなりました。

老若男女、学問あり、語学あり、ロマンスあり、恋愛あり、不倫あり、いざこざあり、セクハラあり、うわさあり、中傷あり、芸能あり、芸術あり、盗難あり、怪我あり、病気あり、それぞれが積極的に行動するか、消極的に行動するか、そこそこに行動するか、好き勝手に行動するか、まったく自由行動。船上は小さな新規の町が生まれた感じで、その住人は善人も悪人もいると考えたほうが自然です。それなりの注意は必要です。

ただしこの町の住人の多くは異常なほどの老いも若きもハイテンションで声が大きく、スピーカーはうるさく、騒々しい人が多すぎる。まあ特別な空間に集まって来たのですから当然かもしれません。とにかく皆さん好奇心が強く、積極的で健康に恵まれ、そこそこ金銭的ゆとりは自分のために使う心意気がある人たちでしょう。この点は感心しました。中にはなじめず深く潜行している人もいたようですが。

世界旅行としての利点は、船内に重点を置けば、寄港地でのわずかな停泊では、のんびりと旅を楽しむには無理があり、オーバーランドツアー(寄港地から次の寄港地まで船を離れて旅をする)では費用が掛かりすぎ。しかし、短時間のツアーも楽しい。また、PBの現地交流プログラムは当たり外れがあったようですが、なかなか一般では企画できないものが多く、改めてピースボートらしい体験ができます。旅行はジャパングレイスが担当、今回のように地震で大幅に予定が狂った旅行に関して柔軟性が乏しく旅行業者としては経験不足のよう、ぜひ常に学習してより良い旅を企画して欲しいものです。

寄港地でも船の周りだけで遠出をせずに楽しむ人もおり、昼食も船内で食べればそれで済むし、老人ホーム的に活用している裕福な旅の達人も見受けられた。そんな人は、飛鳥は飽きた、PBは気楽でいいとさ。

暇を、自由時間を、自分の時間をどう使うか、退屈で耐えられない人がいるのか分からないが、一般的な娯楽として、マージャンルーム、囲碁将棋やカードゲームを楽しむスペースが用意されていました。麻雀は四六時中休むこと無く、講座を聞いている最中でもジャラジャラと騒々しく、囲碁将棋は静かで良く、まあ脳の活性化には効果があると聞くので、良いことなのですね。

運動系はデッキに球技スペースがありサッカーや玉ころがしやテニスを楽しんで、特にテニス好きは毎日むきになって狭いところでボールを打っていました。その極め付きは南極テニス。卓球室があり、卓球対抗戦をやっていたようです。トレーニングルームには本格的な各種トレーニングマシンがあり筋トレに励む人、デッキではウォーキングができ、毎日休まず歩き続ける人がいました。体を動かすスペースは要所要所にあり、ダンスでも体操でも好きなように使っていた。場所によっては船室が響き苦情が出たようでした。

今回の旅は定員を大きく割り400名強だった為、船内はゆとりがあり、各自居場所が確保でき、船室に閉じこもることもなく、もっとも窓なし部屋に閉じこもることの方がつらいが、羽を伸ばして楽しむことができました。騒々しいハイテンションの住人を気にせずマイペースが保つことは、全体から見ると少し浮いた感じでしたが、これがいつもの自分の姿だ。もし通常の定員800名が乗船していたら、きっと苦痛だったでしょう。

オセアニックは大きな事故も無く地球を一周、楽しい思いがでました。行く先々の海の色、空の色、朝日夕日、月や星、船上からの地球を舐め、この味は忘れられません。

船内の生活をいかに楽しむかに興味がある人、コミニュテーで趣味を実践してみたい人、交流を計り人生を開こうとしたい人、ただただ海を眺め船に揺られたい人、3ヶ月を耐え抜きたい人、勉強したい人、闇雲にがんばりたい人、大騒ぎしたい人、静かに物思いに浸りたい人、金銭にゆとりのある人は海外旅行を楽しみ、そうでない人は寄港地の港をうろつき、頼るは船長だけにして、ジャパングレースやピースボートに期待を抱くことなく、マイペースが維持できれば、それなりに楽しめることでしょう。!!

後、何年持つかは知れませんが、船らしい船オセアニック号よ!がんばってください。

何だかんだ言っても、全てのスタッフと乗船の皆様に感謝。

軽いメールソフト
船上でのインターネットは衛星回線で1分45円で不安定な回線でした。このため添付ファイルやハイパーテキストなど重いメールは受け付けないようにこのソフトを使用。

NHK語学講座
1週間の番組がネット上で放送されています。このデータを取り込んで自分用ファイルを作ります。参考サイトとか超録・パソコン長時間録音機で研究してください。


産経ニュースピースボートを海賊が追尾

国連ミレニアムキャンペーン
2015年までに1日1ドル以下で暮らす絶対的貧困層を撲滅する。

ピースボートMDGSキャンペーン
68回モンバサでの洋上記者会見

悪評高いピースボート
第63回。端的に捉えた、ピースボートをかなり正しく表現しています。面白く参考になるでしょう。

レストランの献立は

出された物を全て平らげればブロイラー状態になります。味は一般的。

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