黒姫便り 06.09.18.

埼玉の友人宅の庭木に巣ついたスズメバチを、市貸与の防護服を着て無事駆除。

翌々日山荘に到着、忍び寄る秋を楽しんでいたところ、「どないしまひょ」とお隣の別荘御主人の悩む姿が、「蜂がまだおるねん」。奥さんが勇壮果敢、ハチジェット片手に戦ったらしくおびただしい数の蜂が床に転がっている。見に行くと地下室の換気穴の奥にあの恐ろしいスズメバチの巣が。とにかく刺されず無事でよかった。無知は恐ろしい。

急遽山荘仕立ての防護服を身につけ両手両脇にハチジェットとライトと棒を抱え、殲滅。今週は殺生の連続だった。

ハチジェットは蜂用殺虫剤で薬剤が5、6メートルは飛ぶ、ちょっと値が張るが優れものだ。この殺虫剤を注意深くたっぷりと吹き付けてやれば、蜂は虫の息だ。

防護服はツナギの上に更にレインウエアーを着て十分な厚みを付け、バイクのヘルメットをかぶり、その上にネット帽をかぶり、ネットに隙間が開かないよう緩まないようガムテープでしっかりと貼り付け、ゴム長ゴム手袋と蜂の針が届かないように万全の服装。

スズメバチについてのすばらしいサイトがありました。


その翌日、同じ山荘の奥さんが「どないかしてくれへん、さわれへんわ」と、この隣人は、はるばる和歌山から高速を6時間あまり掛けて山荘参りの御仁。

ベランダに鳥が倒れているとのこと。早速タオル片手に急ぎ向かう。アオゲラだ。窓にぶつかったのだろうか、首はどうだろうか、きょとんとしゃがんでいる。幸いに首は折れていない様だ。脅かさないようにそっとタオルで包む。
意外に暴れず、されるがまま静かにしている。どうも幼鳥のようだ。小さい鳥は触るだけで死んでしまうことがある。

山荘に持ち帰りそっと抱きしばらく様子を見る。左目下の羽がとれ傷がある以外外傷は見当たらないが、頭を打ったのかぼんやりしている。神経は大丈夫だろうか。左まぶたが閉じ気味で右まぶたの動きが同期していない。

初めて手にするアオゲラ、美しい鳥だ。ただグレー緑の頭が赤の鳥しか解らなかったのが、ウグイス色に橙に茶色に緑に白に黒に綺麗だ。一体誰がデザインしたの、暴れることもなく可愛い、いとおしい感じになってきた。あくびと共に出る舌が針金のように細く長い。

日が暮れ始め、そろそろ飛び立ってもいいだろうと指に止まらせた。勢い良く飛び立ったが、屋根に引っ掛り近くのタラ木にへばりついてしまった。こりゃダメだ。折りからの台風の強風の元では一晩過すのは無理だろう。
今夜は部屋に保護する事にしよう。ちょっとばかり心配な夜を過し朝を迎えた。

一番の鳥の声と同時にアオゲラの様子を見ると、そばに入れておいたタラの実の黒く熟れたのだけをついばんで、いかにも外に出たいと羽をばたつかせている。まだ時折台風の強い風が吹いてはいたが、ベランダに出してやった。突然床をコツコツと突つくひょうきんな姿、自動的に突つくのか、習性なのか、やっと自然に戻ったようだ。平地より垂直の所が安定するのか、移動のたんびにログをコツコツして、ベランダの手すりをよじ登り落ち、やっとのことで猫よけ衝立のてっぺん立つ。バタバタと羽ばたき落ちるように右のスモモの木に向かい、かろうじて曲がり森に飛んでいった。

ああ、よかった。早朝6時の出来事、無事の飛び立ちで疲れと睡魔が訪れた。午後、屋根がガサガサっと、何かが落ちる音、ゲラが滑り落ちたよと、急ぎ落下地点を見に行くが姿なし。またあのアオゲラかしら、お礼のあいさつはいらないよ、とにかく元気になってログを突きにおいで。


下の画像をクリックすれば、左画像クリックでは数分の短い動画、右画像クリックでは十数分の長い動画となっています。アオゲラの元気を回復した飛び立ちの動画が見られます。画像読み込みには時間がかかるでしょう。.wmvファイルで、パソコンによっては動作しません。ブラウザによっては動画を見るには工夫が要ります、あしからず。

クリックでアオゲラの短い動画へ クリックでアオゲラの長い動画へ

戻る 黒姫便り目次へ 進む