長野に入るとリンゴの白い花が咲き春が深まり、この暖かさで山荘の芽吹きは若葉の森に移っているのではないかと思っていました。
枯葉が敷き詰められた私道に入ると所々若草が伸び、コブシの白い花が色あせず目に入り、意外や、やっと芽吹きが始まった様子です。
ここ山荘は標高800m、4月の気温変化を見ると-5℃から20℃と、1日20℃の寒暖の差がある日が何日も有り、この気象変動が、今までの植物成長のリズムが狂った感じで、其々自分の感覚で成長しているようです。自然のサイクルが乱れてしまったようです。
見渡すとヤマザクラの花は散り葉桜に。いや、良く見るとまだ美しく花を咲かせている桜もあります。今年のコブシの花が茂る様に咲き、庭の八重桜は今までになく花が少なく、人気の山菜のタラノメやコシアブラの成長は親指ほどの大きさ。コゴミは例年通り育ち、ワラビが顔を出し、色あせたカタクリの花がまだ咲いており、ギョウジャニンニクは元気良く茂り、ゼンンマイが採り頃、ニリンソウやヒトリシズカやピンクのショウジョウバカマが、スミレやタンポポや色々な名も知れぬ山草が花を付け、日に日に燃えるような芽吹きの時期になりました。
勝手に育ての畑は、先ず土作り。土を起こして草木灰や牛糞堆肥をすき込み、埼玉で育てたズッキーニ、モロッコインゲン、キュウリなどを植え、作業を終えました。キュウリはまだ本葉が出ていない未熟な苗、無理やり植えられ成長するでしょうか。よく連休明けに霜が降りることがあり全滅してしまいます。まさか今年はそんなことが起こりますまい。ルバーブは株分けをして増やしました。きっと美味しいジャムになるでしょう。
まだ木々の枝には葉が育っていないので午前中の日照はほれぼれとする畑ですが、午後3時頃には西側にある隣地の桜の葉が陽を遮り、日陰になってしまいます。我が家の畑は木漏れ日畑、こんな畑でも作物が育ってくれます。
ブルーべりー畑もあるのですが重い雪で枝は折れ、周りの樹が育ち日照不足、残念ながら実りは期待できません。
ここで写真の説明をしましょう。上から富士里牧場から見る黒姫山と妙高山、まだ雪が残っています。ここ山荘では僅かに残った除雪の雪と樹木の陰にへばりついていた雪が4月29日の雨で消えました。
次が勝手に育ての畑、左奥の緑がルバーブ。手前黒い部分がズッキーニなどの苗が植えられた畑。
そして天窓からコブシの花越しに霊仙寺山が望まれます。
ニリンソウとその先右に伸びるシダがコゴミ、奥にログハウス、その右手ブッシュがブルーベリー畑、今はたっぷりと陽光を浴びています。
その次の写真は山荘周りで収穫したコシアブラ、ゼンマイ、庭のギョウジャニンニク、コゴミ、ワラビ。これらは天ぷらになるでしょう。
下の写真はゼンマイ。ゼンマイは綿毛に包まれて、それを取り除いた姿、これを茹て天日で乾燥させ揉みもみし、また干し、この量でも完成品は一握り、保存し戻して食材となります。
その下の写真は、野鳥の話になります。玄関上に取りつけた巣箱にシジュウカラとヤマガラの攻防でヤマガラがこの巣箱を手に入れたようです。
森では鳥たちが騒がしく鳴き、鳥たちが追い回したり賑やかです。ビタキ系は美しい声でさえずり、青い鳥はルリビタキ、黄色い鳥はキビタキ。が、自然は楽しいことばかりではありません。
山荘に到着した時、寒いので薪ストーブを焚こうと覗いたところヤマガラが灰にまみれていました。煙突の先端の隙間に入ってしまったようです。ヤマガラは他の鳥より好奇心が強いらしく、色々な所にぶら下がったり覗いたり突いたり、面白そうにしています。かわいそうですが留守していたので、助けられず、こんな結果になってしまいました。
さらにもう一羽、アカゲラがベランダの下で食べられていました。何に襲われたのか分かりませんがネコかもしれません。アカゲラは給餌台のヒマワリを食べに来ているのですが。毎年鳥の死骸を目にします。これが自然の姿です。
先月リスが庭に現れ、そろそろ餌台に来ているか期待していましたが残念ながらその気配はありませんでした。
芽吹きの山は山菜の宝庫、知れば知るほど楽しさが広がり、厳密には所有者がいるのでしょうが、そこはなんとか勘弁して。自然界を乱さないように恵みを甘受すれば、みんな只ですよの世界に浸れます。旬の味は美味しいですから。熊さんも同じように徘徊していますからご用心。
下界ではコロナ禍でぴりぴりしていますが、ここは別世界、人に会うこともなく森のオゾンの中でのんびり幸せな時を過ごせます。来月は重い雪で倒れた樹木を切って薪作りの作業が待っています。
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