黒姫便り 19.04.04.


3月29日、都心では桜が満開に近いという声を聴きながら北上、埼玉では5分咲きほど、高崎では車窓から観察し開花はまだのよう、そんな中、暖かな日差しに包まれ眠気が誘われる道中を、のんびりドライブ、まだ明るい内に山荘到着し、日が伸び、春の訪れは確かです。

私道の雪は消えフキノトウがあちこちに頭を出し、増水した沢から地を這うような轟音が響いています。森の雪面は所々黒い池のように地面が顔をだしています。灌木はまだ雪に覆われ押さえつけられ畳みこまれて飛び出す枝がなく広々と見遠しがきき、隣近所が近くに見えます。この雪が内側から痩せ衰え、しみ出る水が筋を作り、沢となって斜面を突き抜け地面は水を含み、水が集まり流れ、せせらぎは雪解けの素敵な音景色(サウンドスケープ)となります。

今冬は積雪は少なかったようですが、冬場暖かい日があったのか雨が降り、枝に積もった雪を湿らせ凍らせ重さを増し、風が吹き、枝が折れた木が目立ちます。とうとう、数年前折れぶら下がっていた松の幹が落下しすっきりしました。松は常緑樹、隣の木々と競い合ってすくすくと伸び下枝は折れ落ち、天頂に茂った葉に雪が積もり、最終的に折れ易い木になってしまいます。我が家には何本ものアカマツが育っていますが、その一本は太い枝を落としていました。私道脇に山桜の太い枝も落ちています。ありがたく薪にいただきます。雪で折れた枝や雪でちぎれた枝が途中で引っかかっている物もあり、これからの森の散策は頭上に気を付けなくてはいけません。

雪解けが始まれば、地肌がまだらに表れ、雪に痛めつけられ落枝が散らばり、雪の重さで押さえつけられ斜めとなった木が雑然と起きだし、緑のない森は枯れたような姿で、みすぼらしい景色になります。

凍結していた地面が温まり水が染み出て、雪の表面は太陽光で溶け蒸発し、ほとんどの雪が消えると、地肌は落ち葉が舞うほど乾燥します。そして数日後、柳の芽が膨らみ、コブシが咲き、白樺の芽が吹き、爆発的な芽吹きが始まり一気に森に活気を溢れさせるのですが、雪が舞い始めました。

4月に入った途端、目を覚ますと森は雪に覆われ、寒波が到来冬に戻ってしまいました。木々の枝に雪が軽やかに乗り綿を被ったよう、頭上も足元も白一色、山荘は陸の孤島のように雪に包まれてしまいました。積雪10cmふんわりとしています。空は雪が舞ったり、陽が差したり、みぞれが降ったり、真冬のようです。2日、降雪6cmと、さすがの雪もこれで終わりかと思っていましたが、3日の朝、降雪19cm、これは驚きの積雪です。積雪は30pから今日で50cmと増えました。とは言うものの、日差しは強く屋根の雪はたちどころに落下、踏みつけた足跡は角が取れ水っぽく崩れ春雪は痩せてしまいました。しかし、3月終わりの私道を横切っていた雪解けの沢は4日現在枯れています。雪解けは仕切り直しとなってしまいました。しばらくは寒さと暖かさが繰り返し、突然の芽吹きで驚かされることでしょう。

ベランダにはガラ類に交じって一羽のアトリがヒマワリを食べに来ています。何年も前、アトリの大集団が大騒ぎでヒマワリを食い散らし餌代に苦労しました。鳥の訪問は変化をしています。コガラ、ヒガラが見受けられません。

明け方毎日ログを突く金槌で叩くような音で目を覚まします。多分アオゲラが来ているのでしょう。アカゲラは餌を食べています。シジュウカラが大勢集まり、珍しくけん制しあって、羽を低く広めに這わせていがみ合っています。まあ、ここにいる間はヒマワリを欠かせませんから安心してください。ゴジュウガラで二羽仲睦ましく分け合って食べているのがいます。まだリスは来ていませんが明日あたり来るかもしれません。ヒマワリは食べませんがエナガが二羽じゃれていました。

人間界を見ると、あえて敵を作り上げようとしている人ばかりで情けなく思います。なんとかなんないの、地球は一つしかないのです。無理かな。

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