黒姫便り 16.08.14.


クリックで拡大

下界では厳しい暑さと聞きますが、ここ山荘は30℃を越えることもなく朝晩は涼しく贅沢に過ごしています。とは云うものの太陽は熱く直射の元での作業は熱中症にやられそうですが、農家の衆は炎天下でも草を刈ったり休む事を知りません。まだ夏なのに草木は秋の気配を見せてきました。

里では、時々町内放送で何処どこ地区熊発見と情報が流れています。ここ山荘付近の住人からも熊を見たよとのこと。ええっ、この前真昼間2時頃表通りを横切って行ったよ、何、信じられない。こんな会話の中、数日後、庭を見回って、ふと窯小屋を見ると腕ほどの太い枝が小屋の屋根の縁に強くぶつかって落ちているではありませんか。恐る恐る頭を持ち上げると、樹冠にこんもりと枝が折り重なって団子のようになっています。そう、これは正しくクマ棚です。今年はやけにウワミズザクラの実が赤くなって、すごいなあと思っていたのですが、これが熊にとってご馳走だったとは、いや他の食べ物が少ないのかも知れません。

左の写真で黒っぽく木の先端に固まっている部分が、熊が木をよじ登って先端の枝を引き寄せてお尻に敷きこんでむしゃむしゃと小さな実を食べながら、徐々に大きくなっていった棚、ここでは二箇所出来ています。家のこんな近くまで熊が来ていたのです。太い枝が3本も折られ落下しており、1本は小屋のトタン屋根に激突しているのですから相当な音がしたはずですが、誰も気づきませんでした。一日中家に居ましたがたまたまその日午前中留守にしていました。とすると白昼堂々と人の目を盗んで食べていたのでしょうか。それとも我々が鈍感だったからでしょうか。山荘のなぞです。直径35cmの幹には鋭い爪の痕が半円状に4個刻み込まれ熊のよじ登る姿が目に浮かびます。

ウワミズザクラは高さ20mになり、白い花をつけ美しい、6,7ミリの小さな実が房状になり緑から赤へ熟して黒となる。蕾や若実は塩づけにするらしい。

見渡してみると山荘の周りには右のも左にも前にも後ろにもウワミズザクラが目に付き梢を見ると、殆んどの木の枝が折られている。気付かなかったなあ。別荘入り口奥左手には立派なクマ棚が出来、寝心地が良い棚はそこを寝場所にしているとか、用心用心、熊用心。山荘の周りは緑が生い茂り熊も安心できるのかも。役場の指導では熊が隠れないようにブッシュを刈り込めとのこと。

勝手に育ての畑はミズキの木を伐採したお陰で日当たりが良くなり、天候も良かったせいか珍しく豊作。年中居るわけにいかないので、収穫時が遅くなりズッキーニが大きくなりすぎ、しばらくは出来そうもないようです。ブルーベリーも豊作。キュウリのよれた本葉が2枚で枯れそうだった苗も植えたが、その方が大きい苗より実が良く付き、キツネに騙されたよう。違いと言えば、ひ弱な苗にはビニールで根元を覆いマルチ仕立てが功を奏したのかも知れません。

アスファルトの主道に黒い粒を沢山含んだ立派な糞が鎮座しています。稀に枝を折るような音が聞こえてきます。熊にはまだ出会えませんが、ベランダには可愛いリスが現れて、ヒマワリの種を小鳥と分け合って食べています。

こんな山小屋の電気メーターがスマートメーターになりコンピュータでの管理になりました。技術の進歩が、真冬の積雪時に大変な思いをして検針していた仕事がなくなりました。次第に仕事の内容が変わっていきます。

小屋の煙突の雨漏りが目立って来たので足場を組んで屋根に木製の足場を時間を掛けゆっくりと作業を進め、2ヶ月後やっと煙突にたどり着きました。良く見たところ煙突の立ち上がり部分が接着されておらず隙間があり、そこからの漏れで、上部に取り付けた傘のみで雨を防いでいた施工不良でした。今度は厳重に加工し雨漏りがなくなる予定です。こればっかりはコンピュータではできません。屋根工事ばかりで薪割りがはかどりません。安全第一。

クリックで拡大
クリックで拡大
クリックで拡大
クリックで拡大
クリックで拡大
クリックで拡大