山荘への移動は一般道をのんびりとドライブ、碓井バイパスは3速ギアで登る。入山峠から下り、カーブは緩やかだが意外と急坂、ギアは3速のまま、どうしてバスがニュートラルで下るなど考えられない。次のカーブには緊急退避路があったのに。献花の絶えない事故現場を冥福を祈りながら進む。この日は長野からボタン雪がちらつき山は白い花が満開とまがう、日本画のような美しさ。信濃町に入るが何時もなら白い畑や除雪の盛山があるのに、ほとんど雪が融けたようだ。しかし里から山荘へ僅か標高差100mの途中突然、道も森も白く、冬の景色に包まれた。これこそ今の時期だ。ほんとうに今年は雪が少ないが、この日寒波が訪れ昨夜の雪で20cm。ひいき目に見て積雪70cmだったが、日に日に暖かくなり、雪は痩せ、気温15℃にもなり地面が現れて島模様。静かな森に雪融けが始まった。樹木の背に日向ぼっこをしていると突然ムチを打つような音が、雪に押さえつけられた枝が起き上がった音だ。急に周りが騒々しくなった、エナガやコガラが春の陽射しを浴び踊るように雪面をついばんでいる。
上の写真は春間近の牧場、下は気温上昇の1日前の山荘。
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