黒姫便り 14.07.25.


ベルガモット クリックで拡大します

やっと梅雨が明けたようです。木々に覆われた庭の一角に緑に映え赤い花が一際目立っています。半日陰で湿り気の多い環境にもかかわらず、気に入ったらしくベルガモットが咲きみだれています。庭には淡いピンクのシモツケがまだ残っており、白いノリウツギが咲き始め、野草ではオカトラノオやホタルブクロが咲いています。左上から3番目の写真はソバの花です。

久しぶりにシジュウカラやヤマガラ、メジロなど、まだ模様が薄い若鳥が集団になって枝に絡まってみたり蛾をつまんでみたり、育った巣箱でないのに巣穴を覗いたりして賑やかに山荘に来てくれました。

オオルリが美声を張り上げ、ホトトギスやアオゲラやイカルやウグイスやヒヨドリや、などなどさえずっています。ベランダの給餌台にはリスが朝早く数日置きにやって来るらしくヒマワリの殻が散らばっています。鳥たちは食べに来ていないようです。ヒグラシの声が聞こえ、夜の樹幹にはホタルが点滅しています。

シモツケ
ソバの花

2週間も留守にしていた山荘、勝手に育ての野菜がどうなっているか大変に気になっていました。夕方到着、早速薄暗くなった畑を眺めてみると、何時もの様に巨大なズッキーニが育ち、珍しくキュウリも数本なって順調なようです。しかしモロッコインゲンが元気がありません。

翌朝、点検開始。モロッコにいくつも実がなっているのに萎れています。なんと茎が根元から30cm位上部までありません。10本全て根元からありません。そこから少し離れた所に植えたインゲン4本も根元から30cmほどありません。どうしたことでしょうか。今までモロッコだけは楽しいように実を付けてくれたのですが。他の作物はどうでしょうか。確か、ここにエダマメを10本ほど植えたはずなのに。鳥に食べられないように苗をポットで育て、上手い具合に実をつけ久しぶりに美味しく味わえると思っていたのに、根元から跡形無く消滅しています、どうしたのでしょうか。少し離れた場所のエダマメも消えています。ダイコンも珍しく虫にやられず葉が茂り、そろそろ食べごろのダイコンが、もいだように地上に出ていたダイコンが葉ごと消えてしまっています。しかし、なぜかズッキーニとキュウリは無事順調に育っています。

いったい何が起こったのでしょうか。クマではないし、イノシシにしては荒し方が優しい。ズッキーニとキュウリが嫌いなタヌキが、自分の好きは豆類とダイコンを食べたのでしょうか。イタチかテンか、どうも思い当たりません。シカやサルは見かけないし、ミステリーです。ネットで検索してみても判りません。いろいろと調べていく内にこんな話が出ていました。実はこの言葉知らなかったのですが、ひょっとしたら”頭の黒い鼠”が盗っていったのではとの回答、、え、、そんなネズミは見たことはない、つまりコソ泥のことを言うのだそうで、これが分かるのは年の行った人だそうです。知らなかった。まあ、これも違うし、もう一度他に被害に遭った野菜がないかと捜すとパセリが丸坊主。初めは、アゲハチョウのような青虫に食べられたのではと、蝶の幼虫がつくと大抵駆除しないで蝶になるまで育てていましたので、食べられたのはまあ良いかと思っていましたが、良く見ると茎の切り口が斜めに切られています。歯で噛み切った感じです。とすると、そう野ウサギかもしれません。「見てみてママ、こんな草ぼうぼうの所に生えているのなんて人間の育てた畑なんかではないようね、ママ。これおいしそう。食べていいかしら」なんて、言いながら可愛いウサギさん親子が、食べて行ったことにしよう。これなら気が晴れます。

ああ、それにしても今回の作物は珍しく上手くいったと期待していたのに、いささかがっかりしてしまいました。ウサちゃん、高い所で届かなかったのか、残っていた萎びかけたモロッコは初物としていただきました。


モロッコインゲンが枯れている
左手緑棒にはモロッコインゲン、右手緑棒はキュウリ。
ダイコンがもぎとられ無い
地上のダイコンは葉っぱも無くなっている。

地中に残ったダイコン

7月初め毛虫が次から次へと湧き葉を食いつくし、幹や壁を徘ずり登り窪みにへばりつき黒い蛹になり、とうとう今は蛾となりました。昼間マイマイガのオスがひらひらと優雅に無数飛び交い、メスを求めさ迷っています。草取りをしていると身体にまとわり付いて、ちょっと鬱陶しくなります。きっと敏感な人は外に出るのが嫌になるでしょう。自然の中は快適ばかりではありません。メスは白く、白樺の幹やログ壁にへばりついてさ迷い飛び交うオスを待ちうけ交尾し卵を産みつけます。下のログ壁の写真に5月に削り取った白い痕跡と今月産み付けられた卵が写っています。いよいよマイマイガ撲滅作戦として、見つけ次第卵を削り取り駆除で忙しくなります。広い森には無数の卵が生みつけられるでしょうから大変です。天敵のハチなどで数を減らしといわれていますが、安定少数になるには2,3年掛かると言います。数年は大発生に悩まされることになりそうです。来年はどうなるのでしょうか。毛虫が減ったこの時期は小さな尺取虫から大きな尺取虫が垂れ下がったり歩き回ったり、時には枝のように棒状になり葉を食いあさっています。虫の世界は短い夏を懸命に生きているようです。野鳥達よもっと虫を食べてください。

森の木々は葉っぱがかなり食べられたらしく明るい感じになっています。虫の害は恐ろしい物です。丸坊主になったズミの木にまばらに若葉が出てきました。ウリハダカエデは枯れてしまった姿をしていますが、芽が出るのかもしれません。自然界のバランスが上手く立てられる事を信じましょう。

蛹になるため移動中の毛虫 マイマイガの雌 マイマイガの卵

自然の大きな流れも人間の勝手な営みが多大な影響を及ぼしているのでしょう。気候の変化は年々激しさを増しています。自然界だけではなく人間界も異常さが増してきています。せめて人間界だけでも共生を求めて違いを理解して進みたいのですが。考え方の違いを、お互いに熟慮することもなく、分析、反省、責任、もとることがなく利己(当事者)の利益のみ求めて、ただ闇雲に進む世界になって来ました。自己の信念を持って生きていく事が大切です。アベノミックスも確たる信念でしょうが、個の力で全体が動かさられる、動かせる世界にはしてはなりません。一人ひとりが宇宙で世界なのです。

ブラジルワールド杯がいつの間にか遠い出来事になってしまったように時の経つ速さだけが身に沁みます。多くの日本人はマスコミの報道を信じ込まされて一喜一憂したようですが、それも何処かに飛んで行ったようです。高々スポーツでさえこの程度ですから、常に冷静さを保ち見詰めなければなりませんね。