黒姫便り 13.04.15.

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すっかり雪が溶け荒涼とした森が静かにたたずんでいます。雪に痛みつけられた木々の枝が春の嵐に叩き付けられ、森はさまざまな枝が重なり、枯れた乾燥した姿になっています。昨年の日記では4月10日残雪60cm、クロカンを楽しむとあり、かなり早い雪融けのようです。

この雪融け後の不気味な静けさが春の蠢きの始まりです。森の吹き溜まりに僅かに雪が残り、後は除雪の雪山3mと北面の屋根から落ちた雪山30cmほど残っているのみ、沢の水は澄み、心地よい水の砕ける音を立てながら流れています。山荘の窓から見えるヤマネコヤナギの花が一番乗りか、森では(?アブラチャン)低木の黄色い花が少し咲き始めてきていますが、まだ目立った芽吹きは始まっていません。青空にそびえ立つ白樺から、雫が数秒の間隔で落ちて来ます。手で受け舐めてみても甘さも苦さも感じられません。きっと枯れ木のようになって厳寒を乗り越えてきた幹にたっぷりと水を吸い上げて芽吹きの準備をしているのでしょう。カタクリの花もまだ固いつぼみのままです。ここ一週間気温が−2℃から20℃と、雪がちらつき、つかの間の白い景色になった日があったものの、このところの暖かさで、今にも爆発的な春が訪れるのではないでしょうか。

この森が目を覚まさない内に、エコな私共の作業が大忙しとなります。除雪車が倒した木や、近場に散らばった落枝を薪材として収集、雑誌で見るような立派な薪ではありませんが、腐りかけた木も細い枝も、柴も、ストーブで燃え熱を発散、ありがたく暖を取る事ができます。これらの材は40cmぐらいに切断され、再来年に使用する薪になります。

また荒れた庭の手入れもこの時期が見逃せません。小さな幼木がいたるところに生え、そのまま放っておくと足の踏み場もなくなってしまいます。まあゆっくり剪定すればと思われるでしょうが、雪で押し付けられた幼木、小木は、芽吹きが始まると一本一本が生き生きとして美しく愛おしくとても切り取ることができません。

巣箱にシジュウカラが苔を山ほどくわえて巣穴に入れ込めず右往左往して、脇でコガラが呆れ顔で覗いて、そんな穏やかな森の中、集団のアトリが騒々しく通り過ぎ、カラスが騒ぎ、アカゲラやコゲラが枝を駆けずり回り、静と動が目まぐるしく、ベランダにネコが潜み、冬毛に包まれ丸々としたタヌキが徘徊、リスには逢えず、が、明日にでも萌える春になりそうです。

タラノメはまだ固い芽、フキノトウだけが春を示し、山菜はこれからと言うことになります。

クリックで拡大します。カタクリはつぼみ。
タラノメ アトリ