黒姫便り 13.03.13.

春になってしまいました。雪に覆われた森が暖かな空気に包まれ、春の嵐に舞い上がった森の塵や小枝、遠く厄介な国からやって来たPM2.5混じりかどうかの黄砂で、真っ白な雪が色あせ汚れてきました。3月の声を聞いて間もなく10℃を越える気温が雪面を舐め、雪がやせ衰えてきました。思い出したように、雪がちらつき薄っすらと白粉で化粧をしなおし、純白の雪面を取り戻すも、晴れ間がいつの間にか雨になり、明け方には零下と、雪は骨粗鬆症のように雪の中からじわじわと痩せていき、寒暖の差が激しい天気が繰り返し徐々に雪が消えていきます。

雪解けの水が沢に少しづつ集り、静かに春が始まっています。純白の雪は僅か2ヶ月程度、いったい今季の雪は多かったのでしょうか。左の図は気象庁の信濃町の観測値です。ここ山荘の積雪は現在102cmです。(各写真や図は右クリックで大きくなります。)感覚的に昨年と同じように感じます。

とは言うものの意外と雪面がしっかりしており、長靴だけで森の中を楽しく散策、ブッシュは雪面の下、すっきりとした雪原に所々タラノメが飛び出しており山菜採りの渡りをつけておきます。春はブッシュを掻き分けてタラノメを採りに行かなければならないので、狙いどころがはっきりしていればタラノメ狩りに奮起できます。

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クリックで拡大します 2012年2月積雪
2013年2月積雪

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雪面から伸びだした枝が斜めに切れたようになっており、ウサギが芽をかじったのかと良く見ると、冬の厳しい寒さから芽を守ったカバーが取れかかり、いよいよ芽吹きの準備に入った姿でした。まだまだ森の木々の春の息吹きは感じられませんが、しっかり観察すればきっと新たな発見があることでしょう。

除雪された私道は所々地面が現われ雪に押し付けられたフキノトウが芽を出していました。無理やりもぎ取られて初物は酒の肴として消え去りました。


うっすらと新雪積もった晴れ間に、くっきりとリスの足跡が。ここを通ってこの木に登り、ここを降りてあそこに進む。そんな足取りを追ってリスが来そうな切り株にヒマワリを一握り置いて置きました。やっと可愛いリスがヒマワリを食べる姿に数年ぶりに会えました。どうも、小鳥達がベランダの給餌台に来て毎日ヒマワリを食べているのに、リスに誰もこの美味しいヒマワリをばらさなかったようです。これでリスはヒマワリの味を覚えたはず、きっと勇気を出して給餌台に食べに来ることでしょう。楽しみです。

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パンスターズ彗星が期待していたほど明るさがないようで残念ですが、日没後、晴れた澄んだ西空の地平線の近くに彗星が見えるようです。左の図は国立天文台HPから、クリックで拡大します。双眼鏡でなんとか発見できるかもしれません。誰か挑戦してみてください。


震災地の再生が遅々と進まないとか民意が反映されていないとか、皆の意見をまとめ皆が満足できるようにするのは、とても難しいと思います。民意は町議や市議や県議や国会議員と、吸い上げられるのかと思ったが、報道では見えてこない。どうも日本人は議論ができないようだ。相変わらず権力者の手中に有るらしい。議員定数削減は急務だな。恐ろしい津波に構造物で守り抜く町や自然の成り行きに任せる町など、それぞれ違いがあればいいのに。日本人の平等感覚には、いささかついていけない。瓦礫による嵩上げ森作りや、汚染地域の買い上げによる新天地創造など考えられないという。ならぬものはならず、だっけ。