黒姫便り 11.06.05.

山荘に入る道を車は延びた草を押し倒しながら進む。すっかり緑に覆われた山荘だ。玄関にたどり着く。山菜の時期は人の出入りが多いく庭からゼンマイが鬼だけ残して全て採られてしまう山菜盗人が出没するが、様子が変だ。モミガラがちらかり、レジ袋が破れ、ダンボールがちぎれ、いったい何者だ。見渡すと、ほうきがころがり、右軍手が地べたに放置置、発泡スチロールはずたずたの姿でちらばり、整頓の出来ないだらしない住人の家のようだ。

ホトトギスの特許許可局の声を打ち消すようにカーカーと来た。この時期カラスの幼鳥がうろつくことがあったが、これほどまで荒されたことはなかった。

カラスの悪戯の調査。ベランダの餌台のサントリーレッドのペットボトルが壊されカラスがひまわりを食べている。ままごと遊びのガラクタやポリバケツやタオルやカナバサミも手当たり次第つまみ出して、白い糞だらけ。好きなだけ遊んだらしい。ベランダの糞をタワシでこすり、森のあちこちにちらばった物を集めた。棒温度計や流しの網は行方不明。

あまりにもちらかっていたので少し掃きました。

カラスの再教育の為に、粉胡椒をたっぷりまぶしたティッシュを丸め5、6個作りレジ袋に入れ大切そうにベランダに仕込んだ。案の定カラスは何か良いものではと突き口に入れたとたん大騒ぎ、周りでカラス達がこれは喉がひりひりするぞとか、くしゃみが止らないとか話し合っている。これで悪戯が激減。この胡椒作戦は成功率が高い。ぜひお試しあれ。


あの勝手に育ての畑は、芽が出ていないのか黒い土のままだ。いや、カラスがついばんだようだ。ズッキーニは1本、インゲンは3本、キュウリは4本の苗がかろうじて残っているだけ、ちょっと考えが甘かったようだ。慌てて種を買い求め再度蒔いて見たがどうなることやら心配だ。珍しくエダマメとダイコン、ルッコラ、エゴマなど葉物はほとんど被害にあっていない。蒔き終わった畝にキラキラのテープを張りめぐらしカラス除けとした。種を蒔き2週間経ちやっと芽が出てきた。本葉が出るまでは6月末ぐらい掛かりそう、遅い作付けだ。アスパラは頭がかじられて無念な姿だが、ルバーブは株分けをしたせいか良く育っている。

このカラス騒動で一番苦労をしているのは、玄関横の巣箱とベランダ上の巣箱の、どちらもシジュウカラが子育ての真っ最中。カラスが巣箱の屋根に登るなど決死の育児だか、そろそろ巣立ちのころ、早くカラスが遠ざかって欲しい。そんな中でもキビタキやオオルリやヒヨドリやゲラ類ガラ類ホトトギスやカッコウ他色々の小鳥がさえずり、時折日射しが強くなるとカラカラカラとセミやカエルが鳴き、カラスの声重なり賑やかな森になっている。


森の木々は淡い緑に覆われミズキの花の白さ、ベランダ前の名の知れぬ木の白い花が頭上を飾り、低木のタニウツギの赤い花が一際目を引く。夏草が勢いを増し、孫が一つ一つ摘み集め初夏のかわいい花を生けてくれた。手すりにヒヨの幼鳥が陽射しをいっぱいに浴びてうっとりとしている。

それにしてもカラスは良くおしゃべりをする。良く聞いてみると、このどこかで大震災があって原発事故で町が被曝したそうだ。でもこの国の議員はカンさんじゃやっちゃおれないと何にもしないで、被災地をほったらかしだってよう。政党助成金廃止、議員経費十分の一、行政改革、雨あられ、痛みを知れ、この野郎。マスコミはTVでやたらとしおらしい愚民に問題点を投げかけてくれるが、選ばれた人が働いてくれなければ、えっつ、全部ボランティアと義捐金で復興復旧をやれというのか。ここは何シーベルト。いったい日本人ってなんだろうと、毎日カアカアカアとうるさく議論している。梅雨の晴れ間の森の出来事。はい、反省しています。