黒姫便り 08.12.11.

毎年、軒下に巣作りをするスズメバチが、ここに巣を作れば毒ガスで駆除されると知ったのか、今年はまったく現われずほっとしていました。葉が落ちすっかり明るくなった森、山荘から20mほど離れた頭上12、3m程の松の枝に立派なスズメバチの巣が出現しました。女王バチだけが落ち葉や幹の隙間に入り込み越冬すると言いますから、もう働き蜂は滅びて空き家になっているはずです。
山荘の近くで大きなスズメバチの巣が2個も有ったとは、まあこの方がお互いに安全だったということでしょうか。来年も人家に影響のない場所で営巣してくれるように、お願いします。

松の木にスズメバチの巣が

我が家で一番立派な木がこのホオノキ、高さ20mほど、春は高い梢に黄白色の大柄な花を付け、下からは何が何だか見えず、夏は大きな葉が生茂り大きな赤い実をつけ地面に落ちてくる、秋はバッサバッサと落葉、この木の周りの木は負けてひ弱な木が多い。大柄な落ち葉は乱雑に広がり、ばさばさと音を立て積もり黒々としている。あんまり可愛い木ではないのですが。
 このホウノキに立つと落葉した木々の隙間から黒姫山頂と妙高の頂が望める格好の場所。今日は暖かく良い天気、もっと良く見ようと、脚立を立てたところ、おや、幹に爪の痕が。幹にしっかりと食い込み小指にあたる爪は浅く、5本指の何者かの爪跡。高さは3mほどで消えてる。諦めたのでしょうか、それとも美味しい実を食べたのでしょうか。こんな木に登る動物は、熊しか思い当たりません。傷は新しく今年のもの、ツキノワグマはブナの大木を登って実を食べる木登り得意な動物です。と云うことは間違いなく熊の爪跡でしょう。ここに来て10数年になりますが、まだ熊に会えません。せめて一度はこの目で熊の姿を確かめてみたいものです。我が家にも訪れている事を肝に銘じて置きましょう。
 頭上を見渡すとコナラの木に小枝を集めた巣が目に入りました。この巣は大きめの鳥の巣でしょう。松の木にはよくカケスの巣があるのですが、だれの巣かわかりません。
 2週間ぶりに訪れた山荘で到着早々ストーブの中に見かけない灰色の物体が転がっていました。シジュウカラです。屋根に突き出た煙突の傘の隙間に何を思ったのか入り込み、筒が狭く羽ばたくことも出来ず落ち、ストーブでどうすることもできず冷たくなってしまったらしい。手にとってみると若い鳥だ。毛がふさふさとして温かく感じすぐ飛び立ちそう、さすってみたがやはり死んでいました。
 以前同じようにスズメが飛び込み、幸いにストーブを焚いておらず、直ぐに気が付いたので逃がすことができました。そのとき鳥侵入防止用に金網を屋根に登って傘の内側にはめて置いたが煙突掃除で落ち数年そのままにしていたのです。その間は事故は起こらなかったのですが。屋根に上って作業するには体が硬くなって危険、もう若くはありません。少し考えて、金網をボール状に作り煙突下からそのボールを棒で押し上げ傘の部分に引っ掛けるようにしました。これなら飛び込み難いでしょう。
 白樺の根元に埋葬したが、ここには毎年なんらかの形で死んだ鳥が眠っています。小鳥たちはこれから何が起こるか分からない厳しい冬を乗り越えなければなりません。まあ、生きるって大変だなあ。

我が家で一番大きなホオノキ
ホオノキの幹に爪の痕
何の巣かな

11月中旬に5cmほどの積雪があり、屋根から落ちた雪が北側に残っていたのですが、12月の暖かさと雨ですっかり融けてしまい今日まで雪はまったくありません。天気予報では雪になるでしょうなんて言うだけで実際は降らないことが多く、都会から見るとさぞかし雪が積もっているのではと騙されてしまいます。例年暮れ近くになってやっと雪になりスキー場の命がつながります。さて今年はどうでしょうか。

今年の黒姫便りはこれにて終了。お付き合いくださり有難う御座いました。良いお年をお迎えください。

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