黒姫便り 08.09.14.

秋の声でしょうか、大人しい声でコオロギがひっそりと鳴いています。山荘の夏はあっという間に過ぎていってしまいました。
 お盆を過ぎる頃から天候はぐずつき、激しい雷雨が続き、まるで雪融けのように水の流れが道を横切り今までと違った有様でした。
本当に暑さがあったのだろうかと疑うほど短い夏でした。
 久しぶりに晴れた黒姫、牧場の周りには秋の野花が咲き乱れています。

夏の終わりの黒姫山

この3日間素晴らしい天気で小屋作りに精が出ました。ログを建てた時に使い残った木材を活かして2m×3mほどの小さな小屋を7月ごろから作り始め、なんとか完成しました。トタンぶきの隙間だらけの緑のほったて小屋、森に溶け込んでいます。さて中にある物は何でしょうか。なんとか雨だけはしのげそうです。
これで大雪にあっても埋もれるだけで、つぶれることはないでしょう。小屋の前の花はツリガネニンジンです。


山荘の勝手に育てのキッチンガーデンでの今季最終の収穫はご覧の通りです。
 左上からミョウガ、モロッコインゲン、新聞紙上のズッキーニ、シソ、ミニトマト、キュウリにシシトウ。情けない畑でも夏の恵みを甘受しました。
ミョウガは日当たりが悪くても毎年入れてやる落ち葉のせいか、次から次へと芽を出しうれしい悲鳴をあげています。
モロッコはここの気候と湿度がいいのか、やわらかくおいしく育ってくれました。ズッキーニは収穫が遅すぎ、あまりにも早い成長でいつも大きくなりすぎてしまいます。キュウリは栄養不足。本葉にならない前に移植した苗で、育つかどうか心配していましたが立派に実をつけてくれました。
 この時期は篤農家の畑では大根が育っているらしいのですが、私だって負けてはいません、ちゃんと種は播きましたが、ひ弱な葉が出ているだけ、大根が出来る前に雪になりそう。今日の農作業はニンニクを植えました。毎年親の球根の大きさを超えることがありません。数だけは増えるのですが。


夏場にはほとんど来なかった小鳥たちが、この実りの秋にもかかわらず、ひっきりなしに餌台に集まって来ます。今年産まれた若い小鳥達、冬を乗り切れるのは、たった25%だと物の本に書かれていました。えっ本当、厳しいな。冬に向かって栄養を蓄えているのでしょうが、ごめんね。実はヒマワリも2割ほど値が上がり、大量給餌は止めようと考えています。
右の写真はソバ畑。白い花が満開、森の先には斑尾山が望めます。 

ソバ畑遠くに斑尾山

原油高、バイオエネルギーだか穀物も値上げ、世知辛い世の中になってしまいました。しみじみとこの世の行く末を考えていると、ざわざわと打ち寄せる波の様に風が吹き、まだ緑濃き樹幹から黄葉した葉が舞い落ちてきました。秋は間近です。そう言えば、牧場周辺の荒畑に飼料になる作物が増えてきました。自給の兆しが見えてきたのでしょうか。


野道を散歩すれば、赤いツリフネソウやキツリフネソウやタデの仲間のかわいいピンクの花が、そうミゾソバやアカマンマが、ウナギツカミに、アキノキリンソウ、ミゾソバ、ツリガネニンジンにアケボノソウ、ワレモコウ、タムラソウ、オオヤマボクチ、ヌスビトハギ、ノコンギクに、ああそれにノアザミやリンドウが花をつけ実をつけ可愛く、小さな世界ながらこの一年の成果を表しています。ああそう言えばヤマトリカブトが咲いていません、朽ちたかな、これで安心。
 こんな美しい小道を散歩しながら、我が家は今晩のおかずにと、ミズのコブを採り、山芋のむかごを採り夕の糧にしています。
 キノコも出ていますが、ほとんど毒キノコでしょう、わかりません。
 草むらを歩けばチヂミザサのねばねばの実がズボンにへばりつき、そこらじゅうに種を撒き散らし年々チヂミザサが勢力を増している様。同じようにくっついてくるキンミズヒキ実を一つずつ取りながら秋が迫ってきていることを感じています。これからは冬支度の作業が待っています。

ツリフネの赤、キツリフネの黄
?シロテングタケと苦い??毒きのこ
コスモスを通して黒姫を見る

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