7月16日船内新聞於、ブリスベンでの安全・衛生検査のお知らせとして、船室ドアの飾りつけ等は撤去、寄港中は当局の指示の為アルコール類とタバコの販売禁止。食事は簡素なものになりますとのこと。何が問題点なのか説明はなし。秘密なのか、検査逃れのご都合主義行使なのか、偽善の多いピースボートだ。
18日船は太平洋からブリズベン川を遡りポートサイド埠頭に接岸。確かに今日の朝食は品目が少ない、皿が小さい。
入国書類とパスポートを携えて対面入国審査を受け上陸。審査員は気持ち良く迎え入れてくれた。
選りによって、こんなところでピースボートしてしまった。ツアー「先住民の観点から見るブリズベン」に参加、バスに揺られ中心街の川向うにある州立図書館に到着。アボリジニの、あの絵で見た先住民が迎えてくれ、現実の生活が感じとれるのかと思っていたが、よく考えてみると、この都会に部族が集結している訳がない。
白人系ではない感じの人が、そう、先住民の子孫が伝統楽器である木製管楽器ディジュリドゥーの演奏というか鳴らして聞かせてくれ、その楽器の演奏の難しさや男性の楽器で、それについてのシキタリやオキテなどなど、伝統の継承などを聞くが、そうかと思う程度で耳に入らない。不熱心な生徒だ。
先住民は自然を畏敬の念を持って生活してきた民であって、文明人とは真反対の人間であった。西洋の民は自分は人間で、自然に溶け込んでいるモノは獣であるとして、長い間扱ってきた。今でも、蔑視して人間扱いをしていない話などを聞く。つい最近まで、いや今でも差別が続いているとか、色々なエピソードを交えながら説明を聞く。
これらの苦労を、彫刻や絵画で表現、道路の橋げたの外壁に描かれ乳児の前に、縦長の椅子のような箱に銀の何かドロドロしたものがついているオブジェの説明を受ける。その後ろにある橋げたにも銀色の髪の毛のオブジェがへばり付いている。不真面目生徒の話だから半々で聞いて。先住民の血が混じった子供は捕まえて親から切り離し収容し、髪の毛を切っていた。それを表現したもの。髪の毛と隔離のカギ穴。先住民の血に触れさせない手だ。なんと20世紀後半まで、ほんとに。今、トランプが南米の移民たちを収容して親と隔離しているとか、同じではないか。
州立美術館へ移動、アボリジニの画家の話を聞く。Albert Namatjira (1902-1959)という人。絵画で賞を得、賞金を手にし、政府は税を取るためアボリジニ初のオーストラリア国民にしたとか。彼は後進を指導、アボリジニの芸術を高めた。
アボリジニを平等に扱い、仕事の賃金として、えっ、ほんと、麻薬を支給したとか、それって清を滅ぼしたアヘン戦争と同じじゃん。カナダでも先住民には麻薬を許しているとか。とにかく少数民族に対して冷たく扱っていた州が?先住民知識センターなるものを造り、アボリジニはアイデンティティを表現する場を得て、他では扱われないアボリジニの音楽などを放送するFM局が稼働しているとのこと。少しづつアボリジニの人権を認めさせて、文化を守って行くとか。
1992年6月最高裁はトレス海峡諸島の土地、海面のアボリジニの伝統的所有権を認めた。そこで出来たのが、左アボリジニ、右トレス海峡諸島の旗。真ん中は多分オーストラリアの旗。
館内のフリーWIFIが快適だったのでスマホが忙しく、話そこそこで、どこまで正しく聞き取れたかは疑問。それにしても長い長い見学とお話で午後1時を回っており、空腹で歩くことも儘ならない。
やっと昼食、カンガルー、ワニ、ミュウ(小さいダチョウに似た鳥)、を挟んだハンバーガーやサンドイッチ。チーズ、ソーセージ。果物ではパッションフルーツ、ブルーベリー、イチゴ、サクランボ、キュウイ、スイカ、パイナップル。ビュッフェスタイルなので人間の性が現れ興味深い。私は負けそう、がしっかり食に有りつけた。
食事が終わり、伝統的な悪魔払いの煙の儀式を終え、高い授業料の講座は終了。やっと自由時間となり、徒歩で散歩がてら、エキスポ跡地に作られたストリートビーチの観光スポットに向かう。人口のビーチには白い砂とプールがあり、気温22℃冬だと言うのに水着姿が大勢、中には水に浸かる者がいる。ここでツアーから離脱、街中に向かう。ちょっと時間を使い過ぎた。
虐げられたアボリジニの歴史を表現するには余りにも控えめで、付けたしの感は否めない。負の遺産をなんとか隠したい当局が、やっとここまで認めたのかと思えば、感心したいが、遠慮すぎる。もっと強烈に歴史文化を展示すべき運動を続けるべきでしょう。
人種差別はいつまで経っても無くなりませんね。BBCニュースでトランプ差別が問題になっているようですが、どんな話か言葉がわかりません。
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