大西洋から太平洋へ、パナマ運河通過


早朝船はパナマ運河通行の順に並び微速前進。運河通行はパナマのパイロットと専任作業員が乗り込み全てが委託される。通行料はOceanDream号は3000万円ほどか。大型船通行可能の第2運河が完成したが、我が船は旧運河を通る。

カリブ海クリストバル港から太平洋バルボア港まで約82Km、運河を掘り、湖を作り、高低差を閘門で結んでいる。クリストバルから運河を11Km航行、3段式閘門で標高26m登り、人造湖のガトゥン湖を40Km航行、丘陵地帯を掘削した狭い水路を航行、ペドロ・ミゲル閘門で標高17mの下がり、ミラフレス閘門で海水面まで下がり、13Km運河を航行太平洋岸バルボアまで、約8時間かかる。

海面から高い湖に登るには、船を堰き止めたプールに入れ、湖の水をプールに流し込み、水面が上昇することで船の高度を上げ、プールと湖面の水位が同じになれば、湖面側の堰を開き、船をプールから引き出す。ここでめでたく、あの大きな船が持ち上がる仕組みだ。下りる時はその逆。水は無駄にはできない。

大がかりの装置を備えた閘門は、船上の作業員と地面に喰いついた歯車でアブト式機関車4台の巧みな連携に、狭い水路に船がぶつかることなく通過させ、いつ見ても巧妙な仕組みに感動させられる。

各機関車は2本のワイアーで船をしっかりと締め付け前後左右をコントロールして狭い閘門を通り抜ける。

写真はパナマ運河を渡る完成間近の新パナマ橋を後方に見て順序良く船が並んでいる姿だ。タンカー、LPG運搬船、コンテナー運搬船、自動車運搬船、貨物船、我が客船など。ヨットは大型船の先頭を誘導しているタグボートに引きつられ運河を渡っている。

パナマ運河には今までの2つの橋と新しい第3の橋で近い内に3本になるが閘門が閉じている時、閘門の縁を使って普通車や人は通行ができるようになっているらしい。

太平洋につながる手前のミラレス湖で2匹のワニが確認できた。船からは狭い水路の両岸が近く、自然が良く観察できる。木々に薄紫の花が咲き乱れている。運河の最終ではパナマの高層ビル群が、遠く緑の森の奥にそびえている。

大勢の乗客が前後左右、あちらを見ては、こちらを見てと一大イベントを楽しんだ。

運河を通り抜けパナマ湾で出国手続きと給油で翌日午前3時に出航、イースター島への一週間の航海が始まった。

(この記事は、実は27日にまとめているので、これまでの様子を書きました。明日午前2時頃トイレに起きた時、ネットにつなげUPする予定です。衛星インターネットはアクセスが少ない深夜、早く送れます。なぜかこの部屋からWIFIがアクセスでき、楽しています。)

6月20日雨、21日曇りのち晴れ、午前中席赤道祭、実際は午後3時すぎ赤道通過、スマホのGPSで確認し若者が騒いでいたが、船内放送はなし、サービス精神なし。

22日少し寒くなってきた。海水温度が22℃と下がり、船内のエアコンの効きが良くなった。寒流のフンボルト海流を南西に斜めに進み、風が強まり波が立ち、揺れが出始めた。この船のエアコンは海水温に左右され、低くなると効率が良くなって、特にメインの講演などが行われる大ホールのブロードウエーでは寒さが強まり、治まっていた風邪ひきさんが、また目立つようになってきた。寒い時ほど冷えるエアコン。

23日揺れが大きくなり、夜間、船は軋み、ゴツンゴツンと音を立て跳ね、ベッドがマッサージャーだと思うとなかなか気持ちが良い。なんとなく同じ話しをしたみたい。そうだとすれば、認知症になってきたか。

24日船首が?き分ける白波が大きくなり、トビウオか50匹ぐらいまとめて飛ぶが、写真を撮った人がアジかイワシか、違う魚だと言う。今までイルカを見た、クジラが潮を吹いた、マグロが跳ねたと話に聞くが、残念ながら未だお目に掛っていない。

25日揺れ大、軋み音大、テーブルの本が滑り落ちる。

26日揺れは残るが、久しぶりに雲間から朝日が出た。皆既日食の楽しみ方の講座が開かれ、次第に日食熱が高まってきた。晴れ間が見つけられるのかが心配だ。

27日午前7時にイースター島ハンガロア側に投錨、風があるが晴れている。ツーアー客の島へのテンダーボート乗り込みに波風が強く手間取り、フリー客は時間が押し、午後3時過ぎには通り雨で雲が広がり、我々は翌々日の予備日29日の上陸と延期になった。まあそれより、7月2日だけは晴れ間の皆既日食帯に船を進めてもらいたい、だだそれだけだ。祈るのみ。曇っている。