カタニアからタオルミナを目指す


休息の1日はあっと過ぎ、シチリア島東岸エトナ火山南麓に位置するカターニアに接岸、頂きにまだ雪が残るエトナ山に3323m、斜面が緩やかでそびえ立つ感じこそないが、堂々と広がって雄大な山だ。今も噴火との戦いが続く活火山に迎えられる。

港からすぐ旧市街に出られるが、今日は60Kmほど北上して観光地タオルミナに向かうことにした。埠頭には小さな漁船が小さなイワシをバケツに一杯上げて、こうやって食べるんだと漁師が一匹丸ごと食べて見せた。電車に乗ろうと1Kmほど離れた駅に向かう。海岸沿いの道には果物屋の荷車が店を広げ、骨とう品屋の車が壺などを並べ声を掛け合う。ボンジョルノ、チャイニーズ、ジャポネーゼ、コンニチワなどなど。

中央駅はベージュの建物で広場の公園に銅像があり落ち着いている。駅前はバス乗り場でタクシーを探しているのかと声を掛けられる。電車は数十分後、トイレは番人がいて1ユーロだが奇麗だった。

発車時刻に何やら貨物列車のような姿の電車が来た。どこを見ても全体に絵が描かれており扉が見えない。誰かドアオープンのスイッチを押し電車であることを発見した。乗り込むと、近代的なデザインで大きなトイレ室が完備、何を考えているのか、驚いた。内側から見ると左側は窓ガラスもペインティングされて、道理で外からは壁としか思えない姿だが、右側はペイントを剥がしたのか電車の窓をしていた。

電車は静かで、トンネルをくぐり海岸沿いを走り無事タオルミナ駅に到着。ここでバスに乗り換えて崖の上のローマ時代の遺跡があり眺望の利くタルミナールに行くのだが、分かりにくい。バス停は何処、切符はどうするの、どのバスに乗るの、大勢の混乱者に、皆の探りが解きほぐして行く。バスはなかなか来ないが、やっと乗り込む。曲がりくねった山道をバスは器用に登って行く。


上の狭いバス停から少し登りやっと中心地の街路に着き散策を始める。快晴に恵まれ日差しは強すぎるが汗ばむほどではない。観光客にあふれ石畳と石の建物は異国のローマ時代の臭いがする。眺望の利くテラスから見るイオニア海は青く透き通り、南を見ればエトナ山の雄大な姿が目に焼き付く。PBの団体も到着、賑やかになった。昼食はピザとワインとWIFIで時間を過ごす。

石畳をさかのぼりギリシャ風劇場にたどり着く。ここでライブが開かれると言うが、今その準備だろうかステージを組み客席を整備している。客席からステージを見ると遺跡の朽ちた柱を通して海が望め、どんな感じの舞台が開かれるのか興味深い。

そろそろ時間だ。元来た道を下り狭いバスターミナルに向かう。帰りはカターニアへバスで帰ろう。団体客のバスも路線バスも止まりごった返すターミナルで目的のバスを待つ。バスに乗り込み、うとうととしている間にカターニア街中に着き、港はここからとのことで下車、中心街のカタニア教会付近を物貰いをかわしながら歩行、船に帰る。

電車と言いバスと言い切符を買って乗り込むにはエネルギーがいる。もっと解り良くなっていればスマートに行き疲れは半減するのに、その国の癖と言うか仕組みが理解できれば楽にできるのでしょう。日本はどうなのかな。

船は夜9時過ぎにバレッタに向かい出航。