スエズ運河を上りエジプトへ


次の寄港地はポートサイド。海賊の心配がない紅海を北上、スエズ運河に入る。海は穏やかで、濃い青が目に染みる。

(お詫び、OCEAN DREAM 恒例の気管支炎で咳痰に悩ませられ更新が遅れてしまいすみませんでした。こじらせてしまい5月22日2回目の診療所へ。続々と患者さんが集まり10数名、看護師さん曰く今回最高の人出、殆どの方が咳の症状。寄港地での強行軍で体力が減少、暑さとエアコンの冷たさと空気の悪さで参ったらしい。やっと更新の気力が湧いてきました。)

紅海は赤い海なのか、海中の藍藻類が異常繁殖、死骸でで赤く染まるというが、今回は千切れた藻が帯状になって流れていただけだった。塩分濃度は高いという。スエズ運河に入る手前、遠く左岸に風力発電塔が樹立している。勿論所々海底油田採掘プラットホームが在る。

前日運河の入り口のスエズで地中海方面の船舶が集結、投錨して停泊し明日の航行の順番につく。タンカーもコンテナ運搬船も1海里約1.8Km間隔で時速10Km?のゆっくりとした速度で進む。入り口がどこかは分からないが河口に入る感じ。水の流れはどうなのか、淡水なのか塩分を含むのか。途中リトル・ビター湖とグレート・ビター湖を通り全長195Km。前回は第二運河は完成していなかったが、今回は全て完成、交互通行が可能になった。右岸のシナイ半島にはフェリーボートで渡るが整備され、縦列を組んだ船舶の間をぬって運行している。

有事の時は両岸の浮桟橋を結合、戦車が通るとか、気が付かなかった。要所要所の監視小屋に兵士がへばり付いている。警察車両が左岸の道をピースボートに並走している。エジプトでは何が起こるのかは分からないので警戒しているのだろうか。

写真は砂漠の中に浮かぶタンカーとフェリー乗り場。運河が見えないので不思議な光景だ。ピースボートはY字路で左へポートサイド、地中海直行の船は右へと別れる。

唯一の橋「平和の橋」(ナセル時代2001年118億円の無償資金協力で鹿島、JFE、新日鉄が受注、エジプトとガザを結ぶ)をくぐりポートサイドに午後5時ごろ到着した。橋完成記念のパネルは色あせて、遠い昔の日本の力強さが夢のようだ。

PBの通行料は2000万円とか、きっとそれぐらいかかるのだろう。運河の争奪戦など無く平和であれば、このルートはますます発展するだろう。運河の砂を掻くなど維持管理は大変だがしっかり守って欲しいものだ。中国がどう進出しているのか、少しは気にしなければいけない。