船から歩いて渡るセントーサ島へ .


米朝の初の会談が行われたセンサー島は船から見ると対岸の島、いかにも遊園地の体を成しているが緑に包まれている。上空には点々とロープウエーが吊り下がり、橋には2輌編成の赤や青の可愛いモノレールが通って、もちろん車の通行も激しい。その橋沿いにエキゾチックな草木の花々が植えられ、広い木道風の遊歩道が、所々起伏が変化を持たせ、途中疲れをいやす短い歩く歩道まであり、海面見ながら一大観光地の入場門につながっている。

下船しシンガポールの入国審査は威厳があるのか混雑し指紋を取るのか装置に両手を捧げ、じろじろ顔とパスポートを見比べヒゲ爺も順調に通過、今回、歩きばかりで目的は行き当たりばったりで、楽しくなく、つらいよと言っても、良いと言うので友達になった千葉人と同行。ターミナルからショッピングモールに入ると随分新しくなりこぎれいな都会の店構えになっていた。地上に出てすぐに緑に囲まれた喫煙場に何人かがタバコをくゆらしている。厳しく喫煙を管理している国と思ったら意外と喫煙者に優しい。岸辺に沿って400m程で橋のたもとに、800m位で渡り切り、切符売り場があるようだがまだ時間が早いのか、そのまま通過、テーマパーク、セントーサ島に上陸。

ユニバーサルスタジオ、アドベンチュアーランド、カジノとかじゃなくて目的地はシロソ要塞なのだ。それらし方向に向かうがカジノ街に迷い込み、結局本通りに出て、マーライオン塔に向かいシニア料金で入場、なぜシンガポールのシンボルがマーライオンかのビデオを見る。昔、王子が眺めると遠く緑豊かな島を発見、船を仕立てて出航するが大嵐に遭い苦労の末、島に漂着。そこに現れた巨獣に命を奪われるかと覚悟したが、なぜか迎入れられ、その獣をシンボルとして讃えた。その獣は水中を縦横無尽、これがマーライオン。エレベータ入り口で入場カードを入れた途端、機械からコインが飛び出してきた。平和と繁栄と刻印された記念コイン、面白い仕掛けだ。マーライオンの口から牙を通してシンガポールの町が望める。頭上は展望台。遊園地の指向としては悪くない。

さて本題に、係員にシロソ砦に歩きで行きたいと、予備知識では森の山道で行けるはず、聞くがノブの顔を見てかウォーキングコースはデンジャラス、坂を下って海岸沿いが楽だと。危険じゃあ仕方がないと海を見ながら車道を歩く。33℃65%と暑い。無事砦の入口に、エレベータは昇り空中遊歩道に導かれ上空から回りを見渡しながら平坦な網目の歩道橋を進む。このシロソ要塞は19世紀代に建築され、砲台が設置され英国が海峡を警備し先の戦争まで使用されていた。マレーシアの第二次世界大戦の歴史を展示。日本陸軍が陸から押し寄せ陥落、その後日本も敗戦。その流れをリアルな展示物や映像で表現、、今のシンガポールの繁栄は平和にありと唱え、戦争の惨さを訴えていた。途中展示館でスコールに遭い雨宿りができた。

所々に案内地図がありデザインされて非常に分かり難かったがやっと読み方が理解でき、当初の目的の遊歩道を見つけ帰路に向かった。車道から遊歩道に、道は自然に溶け込むように人工的に造られて歩き易いが、先ほどのスコールで洗われて滑りやすい。ジャングルの形相で珍しい動植物に覆われ、奇妙な声も聞こえ野鳥ばかりか獣も潜んでいそうな道。谷に差し掛かったのだろうか道は橋になり樹木の頂上が観察できるようになっており、平坦な通路でとてもデンジャラスとは思えない。空腹に耐え、自然を満喫し、やっと食事を取り、目抜き通り経て水族館に入る。大航海時代の帆船や当時の貿易を見、トンネルの水槽や円筒の水槽に泳ぐ魚や生物を観覧、大勢の人に揉まれ、久方ぶりの水族館を楽しんだ。

元来た遊歩道を戻り、ショッピングモールを覗き、前回に比べ店舗が新しく小奇麗になり、屋台風の食べ物屋は見つからず個性が失われて来た感じがした。暑さの中の歩行は疲れた。

大阪にカジノが出来るのかは知らないが、マカオのようなギラギラとしたカジノより、セントーサ島の様なテーマパークも面白いかもしれない。しかし、何か変だな。