ナスカ地上絵観光


ペルーの太平洋岸は南極からのフンボルト寒流が流れており肌寒い。リマ周辺は霧が立つものの、雨はめったに降らず建物は平らな粗末な屋根の、みすぼらしい箱型のバラックが目立つ。岩山が風化して砂漠化しているが、アンデス山脈から地下水となって井戸を掘る事で灌水ができる。植林や農地開発が進んでいると言う。砂漠地帯は自由にタダで土地が手に入ると言い、麻薬地帯の紛争から逃れた国内の難民が続々と集って、貧富の格差の大きな都市となった。仕事はなく、大勢が飢えており、治安の悪い場所になって、便利な道路近辺は資本家が柵を作り土地を確保、貧民は山の上に土地を求めて住む事になり、町は水と電気は供給しているという。下水もあるというが定かではない。窪地にはごみが詰っているし、昼間はゴミの山のようにしか見えない町は、暗くなると橙の街灯が美しく点灯して全てを包み隠す。日本人の移民は工夫して鳥インフルエンザの影響が少ない砂漠に養鶏場を建て成功したが、皆が真似した為、ペルーでは鶏肉が一番安いと言う。父親はどこかに消え、大勢を抱えた母親を助ける子供達は、真っ当な仕事を手にするため、技術を身につけNGOの資金を借りて商売を始めている者も居るといい、児童労働禁止などと言っては居れない。そんな中で読み書きを学ぶ。信じられない程の逞しさだ。また住人独自の発想で治安を守る砂漠の町が出来ていると言う。天然ガスが安くタクシーは始動時はガソリン、走行はプロパンを使っているそうだ。スペインに植民地化されアメリカ資本に搾取され、資源は有るものの、如何にしてこの格差を克服するか南米の大きな問題だ。いや地球全ての問題だ。

さて今日の観光は朝5時集合、5時間かけて300km程離れたピスコ空港でセスナ機乗り90分、200km先の謎のナスカ地上絵遊覧飛行。地上絵は30分、行き帰りは60分。途中海岸の観光や食事で帰船は22時45分ごろと強行軍。搭乗者の体重を測定、まだこの意味が理解できない。副操縦席は女性が、30分飛行後地上絵の上空に達し、彼女は日本語で的確に「ハネ(翼)の下、見てみて、クジラ、クジラ」目的に向って機体は急旋回、地上絵観望どころか、上下左右のアクロバット飛行ほどではないが汗をかくほどのGを受け、いったいどこに何があるのやら、闇雲にシャッターを切ったが、撮れた自信がなかったので地上絵の絵葉書を数種類買い求めた。後日、HP用に画像処理をしてやっとナスカの地上絵らしき表現ができた。とにかく余分な線が多くて一瞬では判別できない。確かに当局が地上への侵入に神経質になる意味が十分に分かった。その線をを守るだけではなく、車や人の跡があるだけで観光資産が損なわれる。飛行機に振り回されてへとへとになって機を後にする。途中、切り立った海岸線の見学、バスは300kmひたすら走り、リマ市内で夕食を取り11時近く帰船、明日は午前2時半集合寝不足が心配だ。

クリックで拡大 クリックで拡大 クリックで拡大
山の上まで住宅が伸びる 砂漠化した山の上のバラック住宅 道中の店
クリックで拡大 クリックで拡大 クリックで拡大
乗客12名アクロバット飛行 地上絵は何処に、どこどこ 翼(はね)の下、クジラ、クジラ、クジラ
クリックで拡大 クリックで拡大 クリックで拡大
ハネの下、先、蜘蛛、くも、どこ、 山、やま、宇宙人、うちゅうじん 旋回し急降下、コンドル
クリックで拡大 クリックで拡大 クリックで拡大
ハチドリ、ハチドリ、 ハネの下オオム 手と木、どれがーーー