パナマ運河で太平洋へ


10月30日早朝、ガトゥン閘門に進入、運河を航行し太平洋へ。パナマ運河は、1880年フランス人から始まった運河開発が途中消滅したが、アメリカが1914年完成、2000年にパナマが運営。長さ約80Km、海抜26mのガトゥン湖まで登り降り3個の閘門で大西洋から太平洋両方向から、水のエレベータによって航行できるシステム。現在拡張工事が進み、現閘門通過可能の長さ294.1m幅32.3mの船から、新閘門では366m、49mと大型船の航行が可能となり節水システムにより現閘門の消費水量の60%が再利用とのこと。完成はもう間近。

船は静かにゆっくりと進みプールに入ると両側前後にコントロール車がワイヤーで固定し、前2台は引く係り、後ろ2台はブレーキ係りとなる。例えば船を持ち上げるには、プールに船を入れ観音開きの扉を閉め高い水面の水を流し込み、船は水が上昇するに従って上がって行く。高い水面に一致したら前面の扉を開け進み、船は1段上がる事になる。3段階上がる事で26m引き上げられる仕組みだ。閘門での作業は、20名近くの運河の作業者がいつのまにか乗り込み、手際よく作業が進む。船の両岸壁の隙間は2,3mかぶつかることなくコントロール車がバランスをとっているようだ。コントロール車は日本製とか、急坂を登る為アプト式線路上を動いている。1日中この作業を見ながら、左舷に行ったり右舷に行ったり前方に後方に、こちらの見学者も大変な運動量。幸いにして曇り空で数回雷雨に逢ったが、このお陰で熱中症は避けられた。人間の知恵と労力の塊が体験でき感動した。湖の航路は狭く正確な操舵が要求され、それを補助する信号システムや夜間航行を助ける照明など工夫がこらされている。湖にはクロコダイル(小型ワニ)の背骨のぎざぎざが見えた。太平洋が見える前にパナマの高層ビルの林が、パナマがどのように繁栄しているのか、昨日の貧困と富と渋滞を見て南米の平和はどこにあるのか考えさせられた。閘門には扉が閉まっている時だけ通行できる橋と、大きな釣り橋セントナリオ橋とアメリカ橋が架かっている。いよいよ船はマチュピチュの玄関口カヤオに向って、太平洋のうねりに乗りながら進む。

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閘門博物館の建物には大勢の入場者がPBの閘門作業を観察しようと待ち受けており、船上の我々も手を振り声を上げ一時の交流を楽しんだ。

左アメリカ橋を通ると太平洋に入る。コンテナーはコンテナープールで列車による運搬も行われている。