ポートビクトリア(1/16 セント・アン海洋国立公園グラスボトムボートで海中観察)

船は順調にインド洋を航行、雲が時々流れて行き、穏やかな晴天が続き無事セイシェルはポートビクトリアに入港、まだ昨日の興奮の余韻が残っている感じ、昨日は奇跡的に金環食帯に遭遇して大騒ぎになりました。これは出航が2回も変更になったことがこの幸運をもたらしました。

数日前、パソコンのソフトに航路のデーターを入れ日食の様子を見ていたところ、1月15日午前10時20分ごろひょっとしたら金環食になるのではないかと、急きょ日食観察会を主催、わくわくドキドキの半日でした。何人かの天文好きに助けを借り皆さんに正しい観察の仕方を教え、少しづつ欠ける太陽を見、リングになった時点では後甲板に人があふれ興奮のるつぼ、説明やら観測機材の調整で、太陽の生の写真を撮りたかったに、この写真だけ。観測装置は三脚に双眼鏡をくくりつけ、譜面台にスケッチブックを置いて投影するものでした。続々と集まる人を裁くので精一杯、もっと美しい投影にしたかったのですが、軸がずれて楕円になってしまいました。生まれて初めての経験、金環食時では少し日差しが弱くなり、涼しくなりましたが、太陽はぎらぎら輝き裸眼ではとても見ることが出来ません。ソーラーフィルタを持ってくれば、ああ、悔やまれました。数人持参した人もいて、ソーラーメガネの回し見で、歓声に包まれました。確か2012年5月21日に関東で金環食が見られるはず。その時はお楽しみに。

夜は中央のデッキのライトを消して星空見る会がピースボートの主催で行われ、ここでもパソコンによるディスプレーでにわか説明員なり一恥かいてしまいました。晴天の続いた空に雲がかかり始めて、そろそろ晴天からお別れのようです。

思いがけない天体ショウに浮かれていますが、本船はソマリア沖海賊出没領域に突入、昨夜から厳戒態勢に入っています。海賊は高性能のヤマハ船外機を搭載、カラシニコフと対戦車ロケット砲で武装して1000Kmもの行動範囲を持っているとのこと、客船は人が多すぎて人質作戦が取りにくいので襲わないだろうと暢気な事を言ってはいますが、昨夜から消火栓の点検および放水の確認、その後ホースはセットしたまま、昼夜斧を携えて見張りが要所要所立ち夜間甲板への乗客の立ち入りは禁止となり厳戒態勢に入っています。斧は海賊が手すりにフックを掛けた際その縄を切断するために、20分ぐらい持ちこたえれば警備艦船からヘリが飛来、自衛隊機であれば超大音量で追い払うとか、そんな話しですが確かなことは分かりません。オセアニック号は18,4ノット(時速34Km)と速度を上げ航行中、セイシェル、モンバサから2日間ほど警戒が続くとのこと、現実は厳しいものがあります。

船内では「1日1ドル以下で暮らす人を2015年までに半数にしよう」というミレニアム開発目標を掲げ活動、アフリカの飢餓問題や援助の方法や自立支援の方法など頭が疲れるプログラムが用意され、一応は解っていてもその現場で苦労している話を聞くと、考え込んでしまいます。ピースボートのPをとってイースボートつまりイイデスボートにして船旅を楽しみます。

1月16日朝6時入港、サンゴ礁かと思ったら、標高700mほどの山を持つ島でした。ここはマヘ島、セイシェルの首都ポートビクトリアに接岸、8時にグラスボトムボートツアーに参加、港から40名ほど平たい観光船に乗り向かいのサーフ島へ、途中セント・アン海洋国立公園で海中2m下にガラスの窓がある半潜水船に海上で乗り換えしばらく海中散歩。魚は見えるのですが、海の透明度が低いせいか、船の窓が汚れていたのか期待していたほどの海ではなく残念でした。その後餌付け場所に移動、観光船上で各自食パンが渡され、船がその場所に差し掛かったとたん、魚が集まり、パンを投げれば大きい魚小さい魚が一斉にパンをつつき、船の若者が素手で魚を捕まえ皆に見せて海に放り投げると、魚が一斉集まり養殖状態、今日のハイライトでした。島に渡り、さんご礁の椰子の木が生える白い海岸を散歩、30分の水浴び、用意してきた古の水中眼鏡を付けて水面散歩、残念ながら魚には逢えず、観光船に乗って帰港、オセアニックに戻り昼食を取りました。船を中心に行動すれば全て船内食事で安上がりです。

午後1時過ぎ町へ繰り出し、幸いにスコールに遭わず雲がほどよく太陽を遮ってくれ、気温は32℃、が湿度は80%はあるのでは、とにかく蒸し暑い。午前の20年ぶりの海水浴が異常に足をだるくさせたのか重い足を引きずりながら汗びっしょりで15分、植物園に到着。ここで有名なのは、女性のお尻の形をしたココ・ド・ムールや南の果実や花々、フルーツコウモリと巨大陸亀などなど、入場料1名10米ドルは痛い。コウモリが見つからなくて、メインから外れて蒸した木陰の道でうろうろさ迷い蚊の集中攻撃を受け、やっとの想いで昼間でも白い花の蜜を吸っているコウモリを発見、翼は黒でも胴体頭は茶色の大きさ20Cmくらい。陸亀は5,6頭狭い囲いに体を寄せ合って、首を伸ばしたり、観光客を見たりして愛嬌を振舞っていました。色鮮やかな小鳥達があまり人を恐れずさえずりトロピカルの響きを奏でていました。園内はこじんまりとしており時間を掛けて良く観察すれば、かなり密度の高い発見が期待できそうな植物園でした。地球の歩き方には5米ドルだったのに、こんな所までリーマンショックの影響を受けているのか。

さてこの足で中心街へ。海賊の島から1756年フランスの植民地、1814年英国領、??に独立と。車は日本と同じ左側通行。今日は土曜日の午後、博物館もお店もほとんどお休み。日本車が多く走って、道はフランスの設計、島道は曲がりくねり、交差点のロータリーがフランスぽい。可愛いビッグベンが交差点に立ち、殆どの車にはクーラーが無いようで窓全開で走行、街中の運転は静か。こんな町を一巡して帰船、昨日の疲れが残っています。

船は予定より5時間遅れ午前0時、静かにひっそりと岸壁を離れ3日後いよいよアフリカ大陸上陸の予定。この記事は1月17日午後10時に作成中。昼間何回かスコールが訪れ右舷斜めから風を受け涼しく、揺れは殆ど無し、Nは船内チャリティー「ハランベー」イベントにエイサー太鼓踊りに参加、イベントの照明、PAはど素人、KがPA屋の心意気を述べたが一向に改善されない。でしゃばるには大変なので気にしないことにします。(K記)

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